ここ最近、ほぼ毎日というペースでコワーキングについての問い合わせに応接しています。おいでになるのは、取材の方もおられますが、やはり自らコワーキングのスペースを開設したいというお考えの方が多く、建設コンサルタント、不動産事業者、デザイン会社、NPO法人、ギャラリー、ウェブビジネス・コンサルタント、等々、実に多種多様です。
まずはコワーキングとは何なのかを説明するにあたって、アメリカ西海岸でコワーキングが、東海岸でジェリーが生まれた経緯からお話しし、お手本になる欧米のコワーキング事例を紹介し、チェックすべきウェブサイトをお伝えして、次いで3年前にカフーツを始めようと思い立った瞬間から今日までの紆余曲折、七転八倒、右往左往、倒けつ転びつを縷々語るという形式に落ち着いています。コワーキング界隈ではこれを、伊藤の3時間講義コースと呼んでいるようですが、確かに毎回同じ話をするので、いっそ録音しておいてそれを聞いてもらったほうが速いなと思わないでもありません。
ただ、同じ話でもお話しすればするほど深く理解できるのは、実はボクの方です。自分の行なってきたこと、これからしようとしていることなどについて、改めて「あ」と声が出るほど(実際に出たりもしますが)気付かされることがままあります。加えて、お話しする相手から新たなヒントを頂くことも大変多いです。
コワーキングには、こうした「語らいによってもたらされる価値ある情報の共有」を実現する場としての役割が非常に大きいという想いを日に日に強くしています。そういう意味では、コワーキングはスペースのスペックのみにその価値を出そうとするのではなく、そこに集う「働く人々」の想いや思考、経験、知見を共有する場としての、いわば「ワーキング・コミュニティ」としてまず存立すべきだと、くどいですがボクなんかは思うわけで、おいでになる方にも、もれなくその旨お話ししています。(ワーキング・コミュニティというのはボクの造語です)
今後多くなるだろうと予想しているのは、オフィスの一部をコワーキングとして開放するパターンと、夜は飲食業しているスペースを昼間コワーキングに提供するというパターンです。いずれも、場所の確保に要する費用(賃貸借の際の保証金と家賃)を分散もしくはオンブできるというメリットがあります。実のところ、そこがネックでコワーキングをやりたくてもスタートできないというケースが結構あるように見受けます。ちなみにボクの場合は以前にもブログに書きましたが、最初の1年間、ビルオーナーとの成果報酬按分方式でスタートさせました。話し込んでいくうちにいろいろアイデアは出るものです。
ところで、カフーツはこの5月15日でまる2年を迎えます。右も左も分からずスタートしたにしてはよくぞ保ったものだと思いますが、これもこの働き方・生き方に共鳴する仲間(カフーツの語源ですが)のご協力があったればこそと改めて感謝しています。本当に有難うございます。(と書いて、あ、記念のイベント、何かしなくてはと今ごろ思い立ちました←遅い)
そして、その2年を一区切りにするというわけでもないのですが、現在、カフーツを事業協同組合として法人化するための準備を進めています。今まで、単に伊藤が始めて皆さんとワイワイ運営していくという、いわば任意団体として活動してきましたが、ここへ来て社会の中でその立ち位置をしっかり保持しつつ活動するワーキング・コミュニティとして次のフェイズに入るべく、認可法人の道を選ぶことにしました。事業協同組合については、また別稿で詳しくご紹介しますが、たぶん、今の日本でコワーキングを一つの組織として運営するには一番相応しい形態であろうと考えています。
実は先日、兵庫県庁の方にもお越しいただき、行政との連携によるコワーキングの可能性について意見交換させて頂きました。今後どういう形になるかはまだ未知数ですが、自律して働く人々に益する仕組みづくりについて、具体的な構想に入りたいと考えています。
ということで、組合発足に際しましては、また改めて告知致します。ぜひ、その趣旨にご賛同いただき、加入いただけましたら幸いです。
コメントを残す