「共有」には「尊重」が前提。

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※このエントリはコワーキング・アドベント・カレンダー2010に参加しています。

今日、共同通信社の記者氏がカフーツを取材に来られた。話の発端は、今話題の書『シェア』だ。

「フリーミアム」に代わる次代のビジネストレンドを占うキーワードとして、この「共有(シェア)」という概念がネットを通じて野火のごとく伝播する様は、既に一時の流行というレベルを超えていると思われる。

実はボクも、この「共有」をテーマとするもう一冊の話題書“The Mesh”の書評を書いていて、このトレンドは本物という感がぬぐえない。それが何故か?は、このエントリの主題ではないので、お時間あれば下記の記事をご覧いただきたい。

社会変革をも生み出す次のビジネストレンド「シェアリング」

で、その「共有」の対象としてオフィス=ワークスペースももちろん含まれているわけで、それを昨今CoWorking(コワーキング)と言い、カフーツが日本の数少ないそのひとつであることはご案内の通り。記者氏は、ネットで情報収集するうちにカフーツに行き当たり、わざわざおいでになったという次第。

ま、例によって話の長いボク、取材というよりまるで座談会のような4時間が経過した中で、自分自身でも再確認したのは、コワーキングは決して「場所」ではなくて「人=コミュニティ」だという、ごく当たり前のことだった。

最近、Twitterのタイムラインでも「コワーキング」という日本語をよく見るようになった。今年の夏頃までは、CoWorkingで検索すると英語とドイツ語ばかり、それにハングルがちらほらと混じっている程度だったのを思い超せば、日本もいよいよかとちょっとした感慨にふけらないわけでもない。ただ、未だこれをレンタルオフィスに代わる「場所」という観念から一歩も抜け出せないコメントもあるのもまた事実。

実は先日、Facebookのファンページで「コワーキングに何を求めるか?」というアンケートをしてみた。なんとなく予想していたことではあったけれども、その結果には正直目を見張った。それが下図。

投票数が17人というのは確かに少ないが、まそれはそれとして、その約半数が「情報共有」と回答している点に注目したい。一方で、「ワークスペース」と答えた人はたったのひとり。何これ?コワーキングって、仕事するところじゃないの?と思うだろうが、実際のところ利用者の意識はそこではないところにあることが判る。

カフーツをスタートして約7ヶ月、この間の利用者数は決して多いとは言えないけれども、当初考えていた姿とちょっと違ったなと感じたのが、まさにこれで、つまり仕事をする「場」よりも、他の利用者との交流に重きを置いている人が実に多いということだった。

このことはしかし、別に仕事をする場でなくても良いということではない。コワーキングにおいて人と人が繋がるための共通のテーマはやはり「仕事」だ。けれども、彼らはここで作業することよりも、情報や知見を共有、交換することで、自分のなすべきことの指針を得ることを重視している。多分、無意識に。

このことはコワーキングの多くの利用者がひとりカンパニー(個人事業者、フリーランサー)であることと大いに関係していると思われる。などと言ってるボクもそのひとりだが、ややもすると世間を狭くしがちなオツムを刺激してくれるのが、コワーキングにおける他者との会話であったりする。

今日ボクは、記者氏と話してて、どっちが取材しているのか判らない瞬間を何度も経験した。要するに、オツムがスパークした。コミュニケーションの持つ不思議なパワーは、何と定義すべきか今のボクには判らないけれども、これこそがコワーキングの魅力だと思う。

働き方を人に提案しても、強制するつもりはない。「共有」とは、ひとつのパイを「分配」することではない。それは、うっかりすると「さあ、食え」という強制になる恐れがある。

真の意味の「SHARE」とは、相手のこと、相手の意見、相手の持ち寄る情報や経験を「尊重する」ということだと思う。そして、互いに尊重する関係を維持する心構えこそがコワーキングの要諦であると考える。そこさえ理解できれば、コワーキングが単なる「場所」という発想は決して起こらないだろう。

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About itotomio

カフーツ主宰の伊藤です。日本にコワーキングが根付くことを目指しています。